日本大百科全書(ニッポニカ) 「小山隆」の意味・わかりやすい解説
小山隆
こやまたかし
(1900―1983)
社会学者。専攻は家族社会学。明治33年4月5日岡山県に生まれる。東京帝国大学で綿貫哲雄(わたぬきてつお)のもとに社会学を学び、1928年(昭和3)高岡高等商業学校教授となる。在職中に行った富山県五箇山(ごかやま)(現、南砺(なんと)市)、岐阜県白川村、荘川(しょうかわ)村(現、高山市荘川町)の「大家族」の調査研究により、研究者としての地位を確立した。第二次世界大戦後は大阪大学、東京都立大学、東洋大学教授を歴任、また1964年(昭和39)には日本社会学会会長に就任した。そのほか家族問題研究会の創設(1955)、1965年の第9回国際家族セミナー(東京)の開催など、戦後日本の家族研究のリーダーとして優れた業績を残し、後進に大きな影響を与えた。昭和58年8月4日死去。
[増田光吉]
『小山隆編『現代家族の研究』(1960・弘文堂/2008・日本図書センター)』▽『小山隆編『現代家族の役割構造』(1967・培風館)』▽『小山隆編『現代家族の親子関係』(1973・培風館)』▽『小山隆著『軌跡五十年』(1980・御茶の水書房)』▽『小山隆著、家族問題研究会編『山間聚落の大家族――越中五箇山・飛騨白川村の実証研究』(1988・川島書店)』