日本大百科全書(ニッポニカ) 「荘川」の意味・わかりやすい解説
荘川
しょうかわ
岐阜県北西部、大野郡にあった旧村名(荘川村(むら))。現在は高山市の西部を占める地域。旧荘川村は、2005年(平成17)周辺2町6村とともに高山市に編入。旧村域は、飛騨(ひだ)地方の西部、庄川(しょうがわ)の上流域にあたる。南北に走る国道156号で岐阜、名古屋方面へ交通の便がよく、国道158号によって高山の中心市街へ通じ、ほかに国道257号も走る。また、東海北陸自動車道の荘川インターチェンジが設置されている。庄川沿いの北部諸集落と、同村の穀倉地帯ともいわれた耕地は、御母衣ダム(みぼろだむ)の建設(1961)で水没。その補償でスキー場、ゴルフ場などが開設された。水没した地区にあった樹齢450年の荘川桜は御母衣湖畔に移植された。また、合掌造りの伝統的民家は「飛騨荘川の里」に移築保存されている。上流の黒谷地区では、標高約1200メートルの高原でソバや野菜が生産され、中京圏などへ出荷されている。
[上島正徳]
『『荘川村史』上下(1977・荘川村)』