朝日日本歴史人物事典 「小川松民」の解説
小川松民
生年:弘化4.4.25(1847.6.8)
明治前期の漆工。江戸日本橋に金具師忠蔵の子として生まれる。本名は繁次郎。文久2(1862)年に中山胡民に蒔絵を学び,絵を池田孤村に学ぶ。明治3(1870)年浅草馬道町に独立し,9年私財を投じてフィラデルフィア万国博覧会を視察した。古器の模造に長じ,博物局より正倉院,法隆寺の什物の模造を命ぜられ,また諸家の嘱託を受ける。10年第1回内国勧業博・竜紋賞,翌11年正倉院什物を拝観し古代漆器の研究に努め,第2・3回内国勧業博・妙技賞を受賞。23年東京美術学校(東京芸大)の初代漆工科教授。東京の谷中墓地に葬られる。<参考文献>『近代日本の漆工芸』
(内田篤呉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報