小網町（読み）こあみちょう

精選版 日本国語大辞典

こあみ‐ちょう‥チャウ【小網町】

1. 東京都中央区日本橋の地名。日本橋川に沿う。天正（一五七三‐九二）以来の古い町で、江戸時代は隣接の小舟町とともに下駄屋、傘屋が軒を並べ、俗に照降(てりふり)町といわれた。また貝杓子(かいじゃくし)屋が多く、艾(もぐさ)屋、釜屋もあった。天保（一八三〇‐四四）頃、川岸では「引張り」と呼ばれる私娼が袖を引くことでも知られていた。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

小網町
こあみちよう

• 三重県：桑名市
• 桑名城下
• 小網町

[現在地名]桑名市春日（かすが）町

東・西・南の三方を舟（ふな）町に囲まれている町屋敷地。旧家伊藤武左衛門の屋敷地であり、武左衛門屋敷（ぶざえもんやしき）とも称した。「久波奈名所図会」に「往古桑名州崎の時より漁業を以業とし、小網の元なりと申伝たり。船馬町新地開発の後町中となれり。（中略）慶長年中関船の水主役当所より勤めたり」とあるが、「桑名志」では「本多侯御居城ノ節、尾州猪蔵村ヨリ相願ヒ当地ヘ引越、小網猟仕候、只今小網町ノ辺葭山堀迹ニ築地致シ住居、（中略）小網猟イタシ候者住居イタシ候ヨリ小アミ町ト呼来リシ」とある。

小網町
こあみちよう

• 広島県：広島市
• 中区
• 小網町

[現在地名]中区小網町・堺（さかい）町二丁目・舟入（ふないり）町

広瀬（ひろせ）村のうち、山陽道の南裏側にできた町で、北は堺町三―四丁目。西詰は小屋（こや）川（天満川）。堺町四丁目の山陽道に出る縦小路を網打（あみうち）小路と称し（文久三年広島城下絵図）、「知新集」に「網を打て世渡するもの住ける由」とある。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」