六訂版 家庭医学大全科 「小耳症」の解説
小耳症
しょうじしょう
Microtia
(耳の病気)
どんな病気か
難聴を伴う場合、ほとんどの例で聞こえの神経にはさほどの問題はなく、音を伝える機能に問題がある
治療の方法
治療は耳介を形成する手術を行いますが、時期を含めた慎重な手術計画が必要になります。耳介の形を作るものとして、患者さん自身の
また、一般的には10歳前後になると耳介の大きさがほぼ成人の大きさに達するので、正常な側の耳の大きさや形をモデルに小耳症側を形成することができることも、10歳前後に手術する理由のひとつです。
手術は肋軟骨を採取し耳介の形に細工したものを皮膚の下に埋め込みます。しかし、そのままでは皮膚に余裕がなく、肋軟骨を入れることができません。そこで次の2ついずれかの方法がとられます。
ひとつは患者さんの大腿部内側から皮膚を移植する方法です。もうひとつは、最近形成外科で頻繁に行われる方法で、ティッシュエキスパンダーという装置で徐々に皮膚を伸ばし、ある程度皮膚に余裕ができるまで約3~6カ月待って、肋軟骨を埋め込む方法です。
いずれの方法も、手術を数回に分けて行うことになります。
中山 明峰
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報