小耳症(読み)しょうじしょう(その他表記)microtia

改訂新版 世界大百科事典 「小耳症」の意味・わかりやすい解説

小耳症 (しょうじしょう)
microtia

耳介が正常と比べて異常に小さい奇形をいう。耳介が正常の形をしていて,ただ小さいだけということはまれで,ほとんどの場合が形態の著しい変化を伴う。この奇形は耳介の発育異常によるが,同時に外耳道狭窄症あるいは閉鎖症を伴うことが多い。90%以上が両側性に発現する。耳介の発生時期からみると,胎生4~8週ころの障害が関係していると考えられる。この障害の原因としては,妊娠中の母体における投与薬剤(サリドマイド,副腎皮質ホルモン,甲状腺製剤,抗腫瘍剤),感染(風疹麻疹),放射線照射,超音波,高年初産などがあげられている。未熟児に多く,かつ男児に多い。小耳症は通常は家族的な発現をみないが,同一家系に発現することもあり,表現率の非常に低い不完全優性遺伝ではないかという意見もある。奇形の程度により,耳介の各構成部分がかなり識別できるもの(第1度),構成部分の一部が残存しているもの(第2度),単なる皮膚の隆起のみであるもの(第3度),の3段階に分類される。対策としては肋軟骨を利用して耳介の形成術を行う。
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家庭医学館 「小耳症」の解説

しょうじしょう【小耳症 Microtia】

[どんな病気か]
 耳朶(みみたぶ)の小さいのが小耳症で、耳朶の形がふつうよりも小さくて変わっているものから、まったくないものまで、だいたい3から5段階くらいに程度が分けられています。
 生まれつきのもので、外耳道閉鎖症(がいじどうへいさしょう)などに合併する場合がほとんどです。皮下にかたい軟骨のかたまりをもった円形突出が上のほうにあり、下のほうにやわらかい耳朶のある型がいちばん多いようです。
[治療]
 ある程度十分に耳が発育した8歳から9歳ごろに耳の形をつくる耳介形成術(じかいけいせいじゅつ)を行ないます。
 肋骨(ろっこつ)の内側にあるその人の肋軟骨(ろくなんこつ)を切り出し、これを針金でくくったり、削ったりして、耳枠というものをつくり、これを皮下に挿入して耳らしい外観をつくります。3回くらいに分けて段階的に手術を行ないます。完成までに1年以上かかります。

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世界大百科事典(旧版)内の小耳症の言及

【美作国】より

…旧国名。作州。現在の岡山県北東部。東は播磨,西は備中,南は備前,北は因幡,伯耆の諸国に接し,中世末まで播磨国佐用郡石井(現,兵庫県佐用町石井)を含む。
【古代】
 山陽道に属する上国(《延喜式》)。713年(和銅6)4月,備前国から英多(あいた)(現,英田(あいだ)),勝田(かつた∥かつまた),苫田(とまた),久米(くめ),大庭(おおば),真島(ましま)の6郡を分割して設置された。備前守百済南典,同介上毛野堅身らの申請によるといわれる(《伊呂波字類抄》)。…

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