小脳炎(読み)しょうのうえん(その他表記)Parencephalitis

六訂版 家庭医学大全科 「小脳炎」の解説

小脳炎
しょうのうえん
Parencephalitis
(脳・神経・筋の病気)

どんな病気か

 炎症性の疾患としては、まず小脳炎と呼ばれる病気があります。これは細菌やウイルスが脳に直接害を及ぼす髄膜脳炎(ずいまくのうえん)の仲間ではなく、かぜや下痢を起こす病原体に感染したあとに、自分の免疫が中枢神経抗体をつくる脳幹脳炎(のうかんのうえん)の一症状として小脳症状を起こすものです。神経に対する抗体が一時的にできるギラン・バレー症候群という病気の仲間です。

原因は何か

 小脳炎は眼球の動きが悪くなるフィッシャー症候群に伴って起こることが多く、そのほか脳幹の症状として、意識障害や顔面筋の麻痺などを起こすことがあります。

 病原体としてはマイコプラズマや、単純ヘルペスウイルス、帯状(たいじょう)ヘルペスウイルスなどがいわれていますが、原因が証明できないことも多くあります。

症状の現れ方

 小脳炎は呼吸障害や意識障害が強い重症型でなければ、生命に関わる病気ではありませんが、ふらつきなどが月単位で続き、不便な状態が続きます。

治療の方法

 血液中の神経に対する抗体を取り除くために、血漿交換(けっしょうこうかん)ガンマグロブリンという血液製剤治療をするようになり、病状回復が早くなりました。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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