小阿仁川(読み)こあにがわ

日本歴史地名大系 「小阿仁川」の解説

小阿仁川
こあにがわ

北秋田郡南西端の与佐衛門よざえもん(一〇〇九メートル)付近に源をもち、北流しながら五反沢ごたんざわ川・仏社ぶつしや川・長信田ながしだ川などを合わせ、合川あいかわ町で阿仁川と合流して米代川に注ぐ。全長約四〇キロ。

享保一五年(一七三〇)の「六郡郡邑記」に「小阿仁川」とみえる。河川交通路として利用され、文政四年(一八二一)の「七日市村支郷品類村より先年願之通木宿願之事」に「其上野代之儀は両阿仁・比内とも川舟通用之湊に御座候得者、商物等は不申及手元に入用之品も郷用序に相下調」とある。天保二年(一八三一)藩主義厚の巡見に際しては、李岱すももだい芹沢せりざわ根田こんだ三里みつさと・仏社各村は小船二隻、小沢田こさわだ摩当沢まとうざわ大林おおばやし堂川どうがわ・五反沢・福館ふくだて各村は同一隻、鎌沢かまのさわ同三隻、沖田面おきたおもて村同五隻をそれぞれ負担した(米代川の舟運)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小阿仁川」の意味・わかりやすい解説

小阿仁川
こあにがわ

秋田県北部を西流する米代川(よねしろがわ)の支流。延長約50キロメートル。流域面積336平方キロメートル。太平山(たいへいざん)に源を発する旭又沢(あさひまたさわ)が多くの沢を集めながら北流して小阿仁川となり、北秋田市合川(あいかわ)地区にある羽根山(はねやま)付近で阿仁川に合流する。餌刺岱(えさしたい)付近から谷底平野が広がり、上流に多目的ダム萩形ダム(はぎなりだむ)がある。流域一帯には秋田杉美林が多い。

[宮崎禮次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小阿仁川」の意味・わかりやすい解説

小阿仁川
こあにがわ

秋田県北部を流れる米代川の支流。太平山に発し,北秋田市北西部で阿仁川と合し,米代川に注ぐ。全長約 50km。流域一帯は秋田杉の美林で,上流には多目的ダムの萩形 (はぎなり) ダムがある。

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