(読み)ビ

デジタル大辞泉 「尾」の意味・読み・例文・類語

び【尾】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]
〈ビ〉
動物のしっぽ。「燕尾えんび驥尾きび牛尾竜頭蛇尾
物の末端。後ろ。終わり。「尾行尾灯尾翼語尾首尾船尾大尾掉尾ちょうび掉尾とうび末尾徹頭徹尾
動物がつるむ。「交尾
尾張おわり国。「尾州濃尾
〈お〉「尾頭おかしら尾根
[名のり]すえ
[難読]鳶尾いちはつ尻尾しっぽ交尾つる鳩尾みずおち鳩尾みぞおち

お〔を〕【尾】

動物のしりから細長く突き出た部分。魚の尾びれ、鳥の尾羽をいうこともある。しっぽ。「犬がを垂れる」
ある物の後方から、細長く伸びたり垂れたりしたもの。「たこ」「彗星の
山裾の、なだらかに延びた部分。「山の
物事の終わりの部分。
「永く―を引っ張る呼び声が聞こえた」〈啄木・葬列〉
[類語](1しっぽ尾っぽ/(3裾野

び【尾】

[名]二十八宿の一。東方の第六宿。さそり座の尾にあたる九つの星をさす。あしたれぼし。尾宿。
[接尾]助数詞。魚などを数えるのに用いる。匹。「アジ三

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精選版 日本国語大辞典 「尾」の意味・読み・例文・類語

【尾】

[1] 〘名〙
① 鳥獣のしりから細長く伸び出た部分。尻尾。しっぽ。
※古事記(712)下・歌謡「ももしきの 大宮人は 鶉(うづら)鳥 ひれ取りかけて 鶺鴒(まなばしら)(ヲ)行き合へ」
② 鳥獣のしっぽのように、後方に細長く伸びたもの。
※尋常小学読本(明治三六年)(1903)二「あがれ、たこ。たこ。〈略〉さげたかみのを、ひらひらさせて」
③ 山の裾野の延びた所。ふもと。山裾。
※古事記(712)下「山の尾(を)より山の上に登る人有り」
④ 物事の終わり。末。
※俳諧・続俳家奇人談(1832)上「人声に尾のなき秋の夕べかな」
⑤ 失敗のあと。ぼろ。あな。
浄瑠璃・心中天の網島(1720)中「兄御と談合して、商売のおは見せぬ」
[2] 〘接尾〙 鳥獣の数を数えるのに用いる語。頭(とう)。匹(ひき)
太平記(14C後)二八「七(ななつ)(ヲ)(ばかり)なる彘(ゐのこ)の肩を肴(さかな)にとって出されたり」

び【尾】

[1] 二十八宿の一つ。東方に位するもの。蠍座(さそりざ)のμ(ミュー)星付近をいう。その形を長い尾にみたてこの名称がある。尾宿(びしゅく)。あしたれぼし。
[2] 〘接尾〙 魚を数えるのに用いる。匹(ひき)。〔李覯‐寄祖秘丞詩〕

び‐・す【尾】

〘自サ変〙 あとに従って行く。あとをつけて行く。
経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後「諸君の跡を尾し」

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日本歴史地名大系 「尾」の解説


はしお

葛城・高田たかだ両川の中間、現大字萱野かやの大場おおば的場まとば弁財天べんざいてんみなみなどを含む地域。中世、箸尾郷(二条宴乗記)、箸尾庄(多聞院日記)、箸尾城・箸尾油座(満済准后日記、大乗院雑事記、看聞御記など)の記事が散見する。「春日社記録」中臣祐賢記の文永四年(一二六七)正月条に「馳瀬尾」、同六年正月条に「馳尾」、同祐国記元亀三年(一五七二)正月六日条に「橋尾」と書く。西大寺田園目録に「広瀬郡十六条二里廿四坪内一段字塚坪、在箸尾」「広瀬郡十五条二里三十三坪内一段。

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改訂新版 世界大百科事典 「尾」の意味・わかりやすい解説

尾 (お)
tail
queue[フランス]
Schwanz[ドイツ]

動物体の後部で細長く伸びた部域をいい,しっぽともいう。動物以外のものでも似たような形をしたものを比喩的に尾ということがある。

移動性の発達に対応した前後軸の確立と,前進方向への運動力の強化にともなう頭部形成によって,動物の体の相対的後部に肛門や排泄器・生殖器などが配置されることになる。無脊椎動物の尾部は,一般にこうした器官の一部をもち,扁平化したり付属突出物を形成したりして運動器官として用いられることもあるが,内部構造は比較的簡単な部域である。外形的には区別できないことも多く,また肛門より後方の部分だけや体後端の突出物だけを指すこともある。甲殻類・昆虫類などで識別される類似の部域は腹部と呼ばれる。

脊椎動物のからだは外面上,頭部,胴部,尾部,前肢,後肢に大きく分けることができる(頸部(けいぶ)を設けることもある)。このうち〈尾部〉はおもに長さを計測または比較するときに便宜上用いられる概念で,一般に肛門の中心から体幹の後端(毛や羽毛は除く)までを指す。魚類では肛門から尾びれの付け根までを尾部とし,膜状の尾びれそのものは含まない。したがって,肛門が比較的前方にある硬骨魚などでは尾部が胴体の大きな部分をしめることになる。

 それに対して,〈尾〉は尾部とは異なる常識的なことばである。魚類では尾びれの前にあるくびれのあたりより後ろの全体,四足動物では肛門の後背方にあって後方へ突出した部分(毛や羽毛を含む)が漠然と尾と呼ばれる。

 脊椎動物の尾はすべて相同器官で,もとは原始魚類の水中での推進器官であった。古生代カブトウオ(甲皮類)の尾は上下非対称形で上葉または下葉が他の葉より大きく,脊柱は尾の付け根で上または下へ折れ曲がり大きいほうの葉の支柱になっていた。このように上葉が大きい尾を異尾(不正尾),下葉の大きい尾を逆異尾(逆不正尾)と呼ぶ。サメ類は異尾をもつが,現在,逆異尾をもつ魚類は生存していない。ほとんどの現存硬骨魚の尾は中軸骨格がひれの基部で終わる上下対称形の尾で,これを正尾というが,それにはいくつもの型が区別される。両生類爬虫類のうち水中生活をよくするものの尾は大型で多少とも側扁し,魚類に似て横に振り動かして水中で体を推進するのに適している。ただしカエル類は変態によって尾が吸収され,代りに後足が水中での推進器官になる。鳥類では尾の本体は小さく退化しているが,飛行性の鳥ではそれにはえた大きな尾羽(おばね)が空中でのかじ取り装置になっている。地上性・水中性の鳥では尾羽の発達はわるい。哺乳類では生活様式に応じて尾の形態と機能は多様に分化している。バランスとり(イヌ,リス),ハエ追い(ウマ,ウシ),巻きつけ(クモザル),武器(ヤマアラシ),二次的に水中推進器官に戻ったもの(ビーバークジラ)などである。尾が退化したものも少なくなく,ヒトや類人猿のように外部に現れた尾をもたないものもある。これらの種類では胚期には尾が発生し,やがて退縮するのだが,骨格の尾骨だけは成熟後も残存する。

 なお以上とは別に,精子がもつ細胞器官の一つで運動装置である鞭毛も,形と機能が動物の尾と類似していることから尾部または尾と呼ばれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾」の意味・わかりやすい解説


動物の体の後端にある突出物。体の前端部は普通、脳や感覚器が発達した複雑な構造の頭となっているが、後端部は単純な構造の尾となっている。たとえば脊椎(せきつい)動物の尾は一般に、脊椎骨の末部である尾椎を中軸として肉と皮膚で覆われ、内部に体腔(たいこう)や内臓を含まず細長くなっている。ヒトや類人猿などのような尾のない動物でも尾骨(尾骶(びてい)骨)という、いくつかの尾椎の癒合により生じた骨がある。無尾両生類や鳥類の脊柱の末端にあり、やはり尾椎の癒合により生じた骨は尾端骨(尾骶骨としばしば混同して使用される)とよばれ、鳥類ではこれに尾羽がつく。樹上生活をするサルの尾には、木の枝に巻き付けて体を支えるなど、手のように役だつものがあることはよく知られており、またライオンチーターなどの尾は、疾走するとき、方向舵(だ)の働きをするといわれている。ほかにも、体表に飛んでくる虫を追う、跳躍や木登りの補助に使う、さらに保温や感情表現に用いるなど、哺乳類の尾の用途は広い。

 普通、尾といえば肛門(こうもん)より後ろの部分を想像するが、無脊椎動物の多くでは肛門は体の後端部にあり、胴と尾との境は認められない。たとえば昆虫の場合、胸部と腹部とは明らかに区別されるが、腹部のどの部分を尾とするかはわからない。また、原生動物や精子などの鞭毛(べんもう)を、動物体の尾と似ていることから尾とよぶこともある。

[内堀雅行]

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【鳥類】より

…始祖鳥は羽毛をもち,外観は明らかに鳥だが,鳥類と爬虫類の両方の特徴をもっている。爬虫類の特徴の一部をあげると,20~21個の尾椎(びつい)よりなる長い尾をもち,あごに歯が生えている。翼はまだ完全な鳥の翼ではなく,つめのついた3本の指を有する。…

※「尾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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