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山之井 やまのい

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世界大百科事典 第2版の解説

やまのい【山之井】

俳諧季寄せ北村季吟著。1647年(正保4)成立,翌年刊。季題の見出し下に異称・関連語を列挙,雅文調で解説を加え,句例を示す。季語の総数は小見出しをも加えると1300を越え,類書をはるかにしのぐ本格的な季寄の嚆矢(こうし)である。ただし,収める例句は591句を数え,発句集的性格をも帯びている。本書執筆の動機は,師貞室に味方して,重頼の《毛吹草(けふきぐさ)追加》(1647)に敵対することにあったと考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

山之井
やまのい

季寄(きよせ)(歳時記)。五冊。北村季吟著。1647年(正保4)12月末成立、翌48年正月刊。純然たる俳諧(はいかい)季寄の初めての書として重視される。巻四までは、四季題目113、関連季題1032を集め、句作りの仕様を説き、適切な例句を『犬子集(えのこしゅう)』『誹諧発句帳(はいかいほっくちょう)』『鷹筑波(たかつくば)』『毛吹草(けふきぐさ)』などから抜き出して示し、巻五には47年の自作の句日記を付している。本書は、実作にきわめて有益であり、かつその説明文には季吟の古典的教養と俳諧の実作とが融合しあっており、すぐれた雅文となっている。近世俳文の濫觴(らんしょう)と考えるのも妥当であろう。[雲英末雄]
『『近世文学資料類従 古俳諧編19』(1973・勉誠社)』

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世界大百科事典内の山之井の言及

【季寄】より

…古くは,連歌,俳諧の作法書や詞寄に付されているものが多い。北村季吟編《山之井》(1648),《増山の井》(1663)は,独立した季語集として早い時期のもので,ことに後者は,多数の季語を収め,連歌の題と俳諧の題の区別を記しており,後年まで広く用いられた。後には携行に便利な小型本の季寄が多く刊行され,絵入りのものもあった。…

【歳時記】より

…もとは連歌,俳諧の式目書,作法書の中に四季の詞として季語が収録されていたもので,連歌では《至宝抄》《無言抄》等,俳諧では《はなひ草》《誹諧初学抄》《俳諧番匠童(ばんじようわらわ)》《をだまき綱目》《俳諧通俗志》《手挑灯(てちようちん)》等,多数刊行されている。1648年(慶安1)刊の《山之井》は初めての独立した季寄の書で,随筆風の解説と例句をそなえており,続く1663年(寛文3)刊の《増(ぞう)山の井》はのちのちまで用いられた。《滑稽雑談(ぞうだん)》は収録語数も多く,考証もきわめて詳密である。…

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