連歌や俳諧,俳句では,季語を用いるが,句作の参考にするために,季語を集めたものを季寄という。一般に俳諧歳時記の小型のもので,季語を四季別(新年の部を立てるものもある)に分類し月別にわけ,さらに時候,人事,宗教行事,動植物などにわけて配列し,簡単な説明や例句を付したものもある。古くは,連歌,俳諧の作法書や詞寄に付されているものが多い。北村季吟編《山之井》(1648),《増山の井》(1663)は,独立した季語集として早い時期のもので,ことに後者は,多数の季語を収め,連歌の題と俳諧の題の区別を記しており,後年まで広く用いられた。後には携行に便利な小型本の季寄が多く刊行され,絵入りのものもあった。また,類題発句集なども季寄の役割をはたしたと思われる。明治以後は,太陽暦施行や生活,文化の変化にともなう季語の変遷に対応して,季寄が編まれてきた。
執筆者:石川 八朗
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