山添(読み)やまぞえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「山添」の意味・わかりやすい解説

山添(村)
やまぞえ

奈良県北東部山辺(やまべ)郡の純農山村。1956年(昭和31)波多野(はたの)、豊原(とよはら)、東山(ひがしやま)の3村が合併して成立。国道25号と名阪国道がほぼ並行して村内を縦断する。大和(やまと)高原の東部を占め、東の三重県名張(なばり)市との境を名張川が北流する。主産業の農林業のほかに大和茶の栽培が盛ん。西部神野山(こうのやま)(618メートル)は山頂付近のツツジ、北東中腹の鍋倉(なべくら)渓、南中腹の神野寺などで知られ、県立月ヶ瀬神野山自然公園に指定されている。また、奈良市との境界にある布目ダム周辺でもレジャー開発が進んでいる。神野寺の銅造菩薩半跏(ぼさつはんか)像は国指定重要文化財。国史跡に毛原(けはら)廃寺跡がある。面積66.52平方キロメートル、人口3226(2020)。

[菊地一郎]


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改訂新版 世界大百科事典 「山添」の意味・わかりやすい解説

山添[村] (やまぞえ)

奈良県北東部,山辺郡の村。人口4107(2010)。大和高原東部に位置し,東は名張川を挟んで三重県名張市と接し,名張川は支流を集めて北流する。西部には木津川の支流布目川が北流する。村域北東部は奈良時代には大安寺,東大寺杣山(そまやま)とされていた。プラスチック加工など工場の誘致も進められているが農業が主体で,特に茶園の拡張が図られている。西部にある神野(こうの)山(618m)はツツジの名所で,北東中腹には鍋倉渓の奇勝もある。南の山腹にある真言宗神野寺は行基の創建という古刹で,飛鳥様式の銅造菩薩半跏像(重要文化財)が伝わる。村域南部には奈良時代の毛原(けはら)廃寺跡(史)があり,巨大な礎石群が残る。国道25号線が通じる。
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