山牛蒡(読み)ヤマゴボウ

デジタル大辞泉 「山牛蒡」の意味・読み・例文・類語

やま‐ごぼう〔‐ゴバウ〕【山×蒡】

ヤマゴボウ科の多年草。高さ1メートル以上になり、太いゴボウに似た根がある。葉は大きく、卵形で、質は厚くて柔らかく、互生する。6~9月、白い小花の多数ついた穂を直立し、実は熟すと黒紫色になる。根は有毒であるが、漢方商陸といい、利尿薬などにする。近縁ヨウシュヤマゴボウがある。とうごぼう。 花=夏》
ゴボウアザミモリアザミの根。漬物などにする。

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精選版 日本国語大辞典 「山牛蒡」の意味・読み・例文・類語

やま‐ごぼう‥ゴバウ【山牛蒡】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ヤマゴボウ科の多年草。栽培するが、各地で野生化もしている。高さ一メートルぐらい。葉は卵状楕円形で長さ一五~二〇センチメートル、タバコの葉に似ている。夏から秋にかけ、枝先に白い小さな五弁花が総状に多数密集した花穂を出す。果実は八個の分果からなり、扁球形で紫黒色に熟す。根に有毒成分を含むが、漢方では商陸(しょうりく)といい利尿薬に使う。漢名、商陸。いぬごぼう。とうごぼう。

▼やまごぼうの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「山牛房卅本」(出典:東寺百合文書‐に・文永三年(1266)一二月一四日・丹波大山荘文書案)
  2. 「五月雨や露の葉にもる(ヤマゴボウ)〈嵐蘭〉」(出典:俳諧・炭俵(1694)上)
  3. 植物やまぼくち(山火口)」の異名

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