岩田誠(読み)イワタ マコト

20世紀日本人名事典 「岩田誠」の解説

岩田 誠
イワタ マコト

昭和期の裁判官 元・最高裁判事



生年
明治35(1902)年11月26日

没年
昭和60(1985)年2月9日

出生地
東京

学歴〔年〕
東京帝大法学部〔大正15年〕卒

主な受賞名〔年〕
勲一等瑞宝章〔昭和48年〕

経歴
東京高裁判事、静岡地・家裁所長などを経て昭和39年8月から47年11月まで最高裁判事。最高裁判事時代、マルキ・ド・サド著作物翻訳出版のわいせつ性をめぐる「悪徳の栄え事件」大法廷判決(44年10月)で「わいせつ罪になるかどうかは、著作物の公表により芸術・思想・学問的に社会が受ける公益と、わいせつ性による弊害を比較して考えるべきで、この場合は弊害が大きい」との意見を述べたほか、8対7の小差で公務員ストライキに厳しい見解を示した「全農林警職法事件」大法廷判決(48年4月)で「警職法改正反対という政治目的の争議行為は全農林の組合員としての勤務条件改善のためのものではなく、労働基本権の行使とはいえない」との意見を述べた。このほか生活保護受給をめぐり生存権が問題となった「朝日訴訟」で、原告死亡による訴訟終了を認めた多数意見に対し、訴訟承継を認める反対意見を述べた。「第二の松川事件」といわれた「青梅事件」で裁判長として1、2審の有罪判決を破棄するなどハト派評価が高かった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岩田誠」の解説

岩田誠 いわた-まこと

1902-1985 昭和時代の裁判官。
明治35年11月26日生まれ。昭和22年最高裁発足と同時に最高裁調査官となる。松川事件などで無罪判決のきっかけとなる事実指摘。39年東京高裁の判事から,はじめて最高裁判事となる。昭和60年2月9日死去。82歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「ある裁判官の思索と意見」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「岩田誠」の解説

岩田 誠 (いわた まこと)

生年月日:1902年11月26日
昭和時代の裁判官。最高裁判事
1985年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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