峠町(読み)とうげまち

日本歴史地名大系 「峠町」の解説

峠町
とうげまち

[現在地名]軽井沢町峠、群馬県碓氷郡松井田町峠

碓氷うすい峠頂上、信濃・上野両国にまたがって、主として近世に入って峠の茶屋及び熊野皇太神社の門前町・社家町として形成された。

東国への道が、碓氷坂(現入山いりやま峠付近)からこの道筋に移った時代は明らかでないが、熊野皇太神社蔵正応五年(一二九二)「松井田大結衆」により奉納の銅鐘の銘に「奉施入 臼井到下 今熊野 大鐘事」とあることから、それ以前遠からぬ頃に道筋が変わり、熊野皇太神社もここに移ったものと考えられている。


峠町
とうげまち

[現在地名]松井田町峠、長野県北佐久きたさく軽井沢かるいざわ町峠

関東山地最奥部、碓氷川水源地帯の上野国と信濃国境に形成された町。中山道の峠の茶屋として、また同じく両国にまたがる熊野神社の門前町・社家町として発達した。上野国の郷村帳類にはみえないが一村として認識されていたようである。信州からの道は東山道の時代には入山いりやま峠を通り、のち北方の当地に移ったと考えられている。信濃国の元禄郷帳に無高として「熊野社峠町」とみえる。延宝九年(一六八一)安中領峠村五人組人別馬数改帳(水沢文書)によると人数一九一・馬数一二、安永二年(一七七三)村明細帳(同文書)では熊野権現社家三〇・人数一三一。社家は信徒が講を組んで参拝するときの宿泊料によっても生計をたてていた(郡村誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の峠町の言及

【高山集落】より

…標高1410m,耕境にあり第2次大戦前は日本最高の農業集落であるといわれていた。なおその他の高山集落としては軽井沢の峠町(1190m),草津温泉(1220m),平湯(1240m)等のほか,戸隠の信仰集落(1200m)がある。将来,耕境以上の高地に発展の可能性を有するものは高山観光・休養集落であろう。…

※「峠町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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