崔瑀(読み)さいう(その他表記)Ch'oe U

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「崔瑀」の意味・わかりやすい解説

崔瑀
さいう
Ch'oe U

[生]?
[没]高宗36(1249)
朝鮮,高麗の政治家。崔氏武人政権の第2代 (執政 1219~49) 。 瑀は初名で,本名は怡 (い) 。父崔忠献のあとをうけ執政。父の集めた金・銀宝を王に献じ,かつて父が不当に奪取した公私の田民を持主に返し,父にへつらい農民をいじめた官吏を配流または罷免するなど人気策をとる一方,都房を拡張し,馬別抄を創設して,自己の私兵勢力を拡大した。その軍事力を背景に百官の選考を行う政房を私宅におき,政権を完全に掌握した。また文人,儒者を集めた書房も私宅につくり,みずからも新羅,高麗の神品四賢の一人に数えられる書画の名筆であった。モンゴル軍の侵略に対するため高宗を江華島に遷都させ,築城を行い,また大蔵経板の再刻に私財を喜捨し,のちに完成させたが,次第に専横に陥った。

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世界大百科事典(旧版)内の崔瑀の言及

【崔忠献】より

…また晋康侯に封ぜられ晩年には高麗王室の姓の王を賜り,葬儀は国王のそれに従った。忠献のあと崔瑀(う)(怡),崔沆,崔竩(ぎ)が代々政権を継承した。瑀の代から政房という政庁を崔氏の私邸におき人事を処理した。…

※「崔瑀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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