崔顥(読み)さいこう

精選版 日本国語大辞典 「崔顥」の意味・読み・例文・類語

さい‐こう‥カウ【崔顥】

  1. 中国、唐代の詩人俊才奔放で賭博(とばく)と酒を好み、興に乗じて詩を作った。特に「黄鶴楼」の詩は李白に激賞され、唐代七言律詩中第一の名声を得た。(七〇四頃‐七五四

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「崔顥」の意味・わかりやすい解説

崔顥
さいこう
(704?―754)

中国、盛唐の詩人。字(あざな)不明。汴州(べんしゅう)(河南省開封市)の人。723年(開元11)進士にあげられ、天宝年間(742~756)、司勲員外郎(しくんうんがいろう)となった。秀才であったが素行が修まらないところがあり、妻を何遍も取り替えたという。若い時代の詩は軽薄とされたが、年をとるとともに気骨のある詩をつくるようになった。『全唐詩』に1巻、42首の作品を残している。湖北省武昌(ぶしょう)にあった黄鶴楼(こうかくろう)に登ったときにつくった七言律詩「黄鶴楼」(「昔人已(すで)に白雲に乗じて去り」で始まる詩)はとくに有名で、後年李白(りはく)が黄鶴楼に登ったとき、崔顥のこの詩以上のものはできないとして、歌わずに立ち去ったという伝説がある。宋(そう)の厳羽(げんう)は、崔顥の「黄鶴楼」を、唐代七律第一の傑作として高く評価した。

[鈴木修次]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「崔顥」の意味・わかりやすい解説

崔顥
さいこう
Cui Hao

[生]長安4(704)
[没]天宝13(754)
中国,盛唐の詩人。 汴州 (河南省) の人。字,不詳。酒色を好んだと伝えられ,艶麗な楽府 (がふ) 体の詩が多いが,七律『黄鶴楼』は唐律詩中の絶唱として有名。また,辺塞詩にも佳作がある。

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