辺塞詩(読み)ヘンサイシ

世界大百科事典 第2版の解説

へんさいし【辺塞詩 biān sài shī】

中国古典詩の一ジャンル。辺塞は国境の要塞,ことに長城をさし,長城をシンボルとする,北部・西部遊牧民族との国境地帯に題材を取った一群の詩。対遊牧民族戦争と,遠征にかりだされた兵士の悲哀が中心で,故郷に残した妻への兵士の想いを通じて,閨怨(けいえん)詩に結びつく。国境を旅する作者の緊張した内面を写すものもある。楽府(がふ)の形式を取ることが多い。古来,西北国境に重圧を加えた遊牧民族との闘争は,中国の歴史的課題であり,それに文学的表現を与えたのが辺塞詩である。

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大辞林 第三版の解説

へんさいし【辺塞詩】

中国、西北方の国境地帯の守備を題材とする漢詩。特に六朝末から唐代に盛行した。辺境詩。塞外詩。

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精選版 日本国語大辞典の解説

へんさい‐し【辺塞詩】

〘名〙 漢詩で、辺境の地の事物や生活を題材とした詩。辺境に出征した兵士の情や残された家族の悲しみを詠じる。中国の盛唐期に、山水詩と並び盛んになった。王昌齢、高適(こうせき)、岑参(しんじん)、王之渙、崔顥(さいこう)、李頎(りき)、王翰(おうかん)らが名高い。

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