差し合はす(読み)サシアワス

デジタル大辞泉 「差し合はす」の意味・読み・例文・類語

さし‐あわ・す〔‐あはす〕【差し合はす】

[動サ下二]
心などを一つにする。示し合わせる。
義経奥州より―・せてとくとく本意を遂げ候はん」〈義経記・三〉
物事が重なって起こる。
「おほやけごと―・せたる日なれば」〈大鏡・師尹〉
都合よく持ち合わせている。
夕立に―・せけり日傘ひからかさ/拙侯」〈続猿蓑

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精選版 日本国語大辞典 「差し合はす」の意味・読み・例文・類語

さし‐あわ・す‥あはす【差合】

  1. ( 「さし」は接頭語 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
    1. 心などを一つにする。しめしあわせる。調子などを合わせる。
      1. [初出の実例]「御心をさしあはせて、のたまはむ事」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
      2. 「敵東西より差合(サシあは)せて雨の降る様に射る矢に」(出典太平記(14C後)二六)
    2. いくつもの事を同時に行なう。一緒にする。
      1. [初出の実例]「この御参りすぐして中の君をとおぼすなるべし。さしあはせては、うたてしたり顔ならむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)
    3. (刀などを)ちょうど役立つように、その場に差している。
      1. [初出の実例]「さいわひさしあはせて御ざる此刀をかけまらせう」(出典:虎明本狂言・仁王(室町末‐近世初))
  3. [ 2 ] 〘 自動詞 サ行下二段活用 〙 いくつもの事が同時に起こる。一緒になる。重なる。
    1. [初出の実例]「おほやけごとさしあはせたるひなれば」(出典:大鏡(12C前)二)

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