差控(読み)さしひかえ

精選版 日本国語大辞典 「差控」の意味・読み・例文・類語

さし‐ひかえ‥ひかへ【差控】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 江戸時代、武士公家などが出仕を禁じられ自宅に謹慎させられること。自己の過失親族家臣などの犯罪に関連して行なわれる。
    1. [初出の実例]「家来徒士足軽中間等致不届、公儀御仕置に成候共、其主人差控に不及候」(出典:徳川禁令考‐後集・第一・巻八・延享四年(1747))
  3. 一般に、謹慎すること。
    1. [初出の実例]「一父親類等え御預差扣させ置候類」(出典:御触書寛保集成‐四三・宝永六年(1709)二月)
  4. 相場で、時のくるのをまって、売買をひかえること。〔新時代用語辞典(1930)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「差控」の意味・わかりやすい解説

差控 (さしひかえ)

江戸時代,武士や公家に科せられた制裁勤仕より離れ,自家に引きこもって謹慎する。門を閉ざすが,潜門(くぐりもん)から目だたないように出入りはできた。比較的軽い刑罰ないし懲戒処分として,職務上の失策をとがめたり,あるいは親族・家臣の犯罪に縁坐・連坐せしめる場合などに用いた。自発的にも行われ,親族中一定範囲の者または家臣が処罰を受けると,その刑種によっては差控伺(うかがい)を上司に提出し,慎んで指示を待った。
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