巾子(読み)コジ

デジタル大辞泉 「巾子」の意味・読み・例文・類語

こ‐じ【巾子】

《「こんじ」の撥音の無表記》冠の頂上後部に高く突き出ている部分もとどりを入れ、その根元こうがいを挿して冠が落ちないようにする。元来は、これをつけてから幞頭ぼくとうをかぶったが、平安中期以後は冠の一部として作り付けになった。

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精選版 日本国語大辞典 「巾子」の意味・読み・例文・類語

こ‐じ【巾子】

  1. 〘 名詞 〙(かんむり)の頂上後部に高く突き出ている部分で、巻き立てた髻(もとどり)を納める壺形の容器。これをつけて幞頭(ぼくとう)をかぶった。平安中期以後は冠の一部として作り付けになった。正面の線を日陰といい、根に笹紙をつける。
    1. [初出の実例]「〈本〉近衛の御門(みかど)にこじ落つと〈末〉髪の根の無ければ」(出典神楽歌(9C後)早歌)

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普及版 字通 「巾子」の読み・字形・画数・意味

【巾子】きんし

頭髪をつつむもの。こじ。〔唐書、車服志〕武后を擅(もつぱ)らにし、多く群臣に巾子袍を賜ふ。勒するに回の銘を以てし、皆法度無し。

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世界大百科事典(旧版)内の巾子の言及

【冠】より

…このほか天皇の冕冠,女帝の宝冠,童帝の日形冠,皇太子の九章冕冠などがある。 朝服に用いられた冠は,平安朝になるとその形がしだいに整備され,額(ひたい),巾子(こじ),纓というように独立した形をとり,平安時代末の鳥羽天皇ころからはその地質も固くなり,ついにこんにち見られるような冠が成立した。すなわち額,縁(へり),巾子,簪(かんざし),上緒(あげお),纓,緌,懸緒(かけお)などからなっている。…

※「巾子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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