希少糖(読み)キショウトウ

デジタル大辞泉 「希少糖」の意味・読み・例文・類語

きしょう‐とう〔キセウタウ〕【希少糖/×稀少糖】

自然界に存在する割合が極めて小さい、希少な。多量に存在するブドウ糖果糖などの7種類を除く、単糖類およびその誘導体として定義される。プシコースアロースをはじめ、約50種類が発見されている。レアシュガー

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「希少糖」の意味・わかりやすい解説

希少糖
きしょうとう

自然界にわずかに存在する単糖および糖アルコール。国際希少糖学会では「自然界にその存在量が少ない単糖およびその誘導体」と定義している。希少糖は、自然界に多量に存在するブドウ糖など7種の単糖とは異なり、体内で酵素により分解され、エネルギーを生み出すことができない。そのため、摂取すると砂糖に近い甘味を感じるが、エネルギー(カロリー)はゼロに等しいほど少ない。一方で、さまざまな生理機能をもつことが判明してきている。単糖の希少糖はこれまで50種類ほどが発見されており、その誘導体である糖アルコールを加えると60種類ほどになる。希少糖のなかでよく知られるのはキシリトールエリスリトールなどの糖アルコールで、これらは天然の糖から人工的に生産が可能で、むし歯をつくらない抗う蝕性や低カロリーなどの特性を生かして人工甘味料などに用いられている。また、香川大学を中心とした研究により、d-プシコース(アルロース)などが新たに開発されている。プシコースは、食後の血糖値上昇および体内への脂肪蓄積を抑える働き、さらに動脈硬化抑制についての研究報告があり、これらの予防効果が期待されている。

[編集部 2017年4月18日]

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