席亭(読み)せきてい

精選版 日本国語大辞典 「席亭」の意味・読み・例文・類語

せき‐てい【席亭】

〘名〙 落語講談などの演芸をみせる常設娯楽場寄席(よせ)。席。また、席亭を経営する人。寄席の亭主。寄席の持主
※歌舞伎・神有月色世話事(縁結び)(1862)「弁天山の席亭で春の手附を借り込んで」

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デジタル大辞泉 「席亭」の意味・読み・例文・類語

せき‐てい【席亭】

落語・講談などを聞かせる常設の演芸場寄席よせ
寄席の亭主。寄席の主人
[類語]寄席

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「席亭」の意味・わかりやすい解説

席亭
せきてい

寄席の経営者。席の亭主の略で,席主とも書く。芸人一座場所を提供し,その間の入場料を折半する。出演者,演目などを選択するため,鑑賞眼の高さが要求され,昇進問題に関与するなど,芸人に対する発言力が大きかった。現在は寄席の全体数も入場者数も減ったため,影響力は減少している。

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世界大百科事典(旧版)内の席亭の言及

【寄席】より

…噺家が扇子と手ぬぐいで落語を演ずる形式も,前座(ぜんざ)制も,中入りに前座がくじを売る習慣も天保初期には完成されていた。寄席の経営者は〈席亭(せきてい)〉と呼ばれた。江戸の寄席は,天保の初めごろには銭湯や髪結床なみに数が多かったが,〈天保の改革〉で1842年(天保13)以降,わずか15軒に減り,演目も神道(しんとう)講釈,心学,軍書講釈,昔咄の4種ということで営業を許可された。…

※「席亭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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