1 普通の状態にあるからだ。
「寝ていれば、殆ど―に近い。ただ枕を離れると、ふらふらする」〈漱石・三四郎〉
2 文末に「だ」「である」を用いた口語の文体。⇔敬体。
普通のありさま。また、普通の程度。
「人より遅く仕廻(しまひ)、早く出るその働き―の事にあらず」〈浮・新永代蔵〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
〘名〙
① ふつうの状態。いつもと変わらないありさま。また、その身体。
※集義和書(1676頃)一四「魂気游散し魄体蝉蛻(はくたいせんぜい)のごとし。空々寂々たり。ただ此空のみ本来の常体ならずや」
※滑稽本・古朽木(1780)四「飯でもしたたかまゐったら、翌(あす)は常躰になりませう」 〔荀子‐栄辱〕
② 主として口語文で、敬語、または卑語を用いないふつうの文体。「です」「ます」等を用いる敬体に対する。
〘名〙 (形動)
① ふだんの健康な姿、または、有様。
② ふつうの姿、または、有様。ありきたりの様子。
※歌舞妓事始(1762)四「此役は〈略〉常体(ツネテイ)のこしらへにてしかも美しき出たち也」
③ 程度が、ふつう一般であること。また、そのさま。ふつう。なみ。
※浮世草子・真実伊勢物語(1690)三「つねていのうまれ付の人何として半年はかからじと」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報