殆ど(読み)ホトンド

デジタル大辞泉 「殆ど」の意味・読み・例文・類語

ほとんど【×殆ど/幾ど】

《「ほとほと」の音変化》
[名]大多数大部分。「在庫の―を売りきる」
[副]
全部とはいえないが、それに近い程度に。おおかた。大部分。「病気は―治った」
もう少しのところで。すんでのことに。「―気を失うところだった」
切実であるさま。
「十に一つもおぼつかなしと案じ続くる程に、―心細くて」〈おらが春
[類語](1大部分大方大抵大半大多数絶対多数九分通り十中八九九分九厘多く総じておおむね大概全般百般万般多数数多無数あまたあまねく通じてあらかたほぼおよそおおよそ大体総体大略押しなべて/(2すんでにすんでのことすんでの所どうにかこうにかどうにかやっとようやくなんとかかろうじてからくもやっとこさ間一髪危なくあわやすれすれようやっとどうかこうかかつがつどうやらこうやらやっとの事で曲がりなりにも最早もはや畢竟ひっきょう結局やはり所詮どの道いずれにしても結句遂にとどのつまり詰まるところ帰するところ詮ずるところ要するにいずれどうせつまりとうとういよいよ挙げ句挙げ句の果て差し詰め究竟きゅうきょう果ては何と言ってもどっち道とにかく何しろ何せ何分なにぶん何分なにぶんにもなんにせよともかくともかくもともあれとまれとにもかくにもそれはともあれ遅かれ早かれ善かれ悪しかれまだしもまだえんやらやっとようよう危うく九死に一生を得るまあまあまあよっぽどかなりなかなかわりあいわりかたわりかし割に比較的まずまずかすかすどうやらなんとかかんとかそこそこそれなり増し次善セカンドベストベター及第無難ほどほど捨てたものではない満更まんざらでもないいまだしいま不徹底不十分及ばずながら不全不完全どうなりこうなり一応急場しのぎ当座しのぎ一時しのぎその場しのぎ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「殆ど」の意味・読み・例文・類語

ほとんど【殆・幾】

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「ほとほと(殆)」の変化したもの。→「ほとほと(殆)」の語誌 )
    1. すっかりそうなるわけではないが、事態が進んでそれに非常に近い状況になるさまを表わす。もう少しのところで。すんでのことに。あやうく。
      1. [初出の実例]「ほとんど我門の破滅におよばんとす」(出典:俳諧・俳諧十論(1719)三)
    2. まったくというわけではないが、比率的に見て大体そういう状態であるさまを表わす。大方。あらかた。
      1. [初出の実例]「既に十二三日と云は、殆(ホトント)鎮西へ下向ござんなれ」(出典:屋代本平家(13C前)二)
      2. 「人此間に在るときは心体共に衰えざる者幾(ホト)んど希なり」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉一四)
    3. 事態の継続によってその状態が切実になるさまを表わす。ほんとうに。
      1. [初出の実例]「終日の対決に拙者殆(ホトン)ど疲れ申す」(出典:浄瑠璃伽羅先代萩(1785)九)
    4. 一般に、感じたり喜んだりするさまが切実であることを表わす。まったく。非常に。
      1. [初出の実例]「いとどよだれもたらちねのとっさまかかさままでほとんどおなつかしい心地ぞする」(出典:評判記・役者評判蚰蜒(1674)伊藤小太夫)
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙 多くの中の大部分。十中八九。
    1. [初出の実例]「殆(ホト)んどの場合に、広告物には標題キャッチフレーズ等の可なりの大文字を必要とされる」(出典:現代広告字体撰集(1926)〈本松呉浪〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android