平均海水面(読み)へいきんかいすいめん(英語表記)mean sea level; MSL

百科事典マイペディア 「平均海水面」の意味・わかりやすい解説

平均海水面【へいきんかいすいめん】

海水面は潮汐(ちょうせき),気圧変化,海水の密度の変化,海流などの影響で複雑な上下運動をしている。これを長年にわたり観測し,その平均から定めた海水面を平均海水面と呼ぶ。日本沿岸各地の平均海水面は−20〜+40cmの範囲で互いにずれている。平均海水面は主としてジオイドの決定のため観測されるほか,陸地の高さ,水深を定める基準としても利用される。日本では以前は東京湾の霊岸島にあった験潮所で1873年―1879年に定められた平均海水面を〈東京湾中等海面〉と呼び海抜高度の基準としていたが,現在では,三浦半島油壺で観測された〈東京湾平均海水面〉を基準としている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平均海水面」の意味・わかりやすい解説

平均海水面
へいきんかいすいめん
mean sea level; MSL

ある期間の海面の平均の高さ。平均海水面の高さは1年を通じて変化するが,日本近海では夏から秋にかけて高く,冬から春にかけて低く,最高と最低の差は数十 cmに達する。平均海水面変動の原因はおもに表層の密度変化,気圧変化,海流の変動で,湾や浅海では風の影響もある。また地盤の変動も見かけ上の平均海水面の変化となって現れる。そのため長期間の平均海水面の変動を観測することによって地盤の変動の様子を知ることができる。検潮器はおもにこの目的で設置されている。このほか,11~12年など長周期の平均海水面の変動も知られている。また気候変化による海面変化も考えられる。第四紀の氷期間氷期には 100m内外の海面の昇降があったとされるのはこの例である。

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