デジタル大辞泉
「油壺」の意味・読み・例文・類語
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あぶら‐つぼ【油壺】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① 油、特に髪油を入れておく壺。
油壺[ 一 ]①〈和国百女〉
- [初出の実例]「我が躰(すがた)を見むと思(おぼ)さば、明日其の持給へる櫛(くし)の箱の中に有る油壺の中を見給へ」(出典:今昔物語集(1120頃か)三一)
- ② ランプの石油を入れておく部分。
- [初出の実例]「油壺を拭き、ほやを拭き」(出典:野分(1907)〈夏目漱石〉三)
- ③ 機械の一定の位置に備えつけた潤滑油を給油するための容器。オイル‐カップ。
- ④ 油絵用の絵の具を溶くのに用いる油の容器。
- ⑤ 鋼を焼き入れする場合に、熱した鋼を投げ入れる油の容器。
- [ 2 ] 神奈川県三浦半島南西端の湾。深い湾入で波がなく油を入れた壺のようであるというところからいう。国土地理院の験潮所、熱帯植物園、水族館(東京大学臨海実験所)などがある。ヨットハーバーとして利用。
油壺の補助注記
[ 二 ]については、戦国時代三浦氏一族が全滅した時、血膏が湾内に満ちたからという伝説もある。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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油壺
あぶらつぼ
神奈川県三浦半島の南西部、三浦市小網代(こあじろ)の一地区。京浜急行電鉄三崎口駅、JR横須賀線横須賀駅などからバスが通ずる。油壺湾の深い湾入は、北の小網代湾とともにリアス海岸の好例で、湾内は風がなく、油を入れた壺のようであるのが地名のおこりといわれる。三浦半島観光の中心地の一つとなっている。東京大学臨海実験所は1897年(明治30)三崎から移されたもので、ミキモトパールで内外に知られる御木本幸吉(みきもとこうきち)の真珠養殖もここで完成した。実験所の一部は、戦国時代三浦氏の最後の地となった新井(あらい)城の本丸跡である。1516年(永正13)北条早雲(そううん)の大軍が攻め寄せ、3年間にわたった攻防戦や、落城時の悲話は有名。胴網(どうあみ)の浜は、春はワカメ採り、夏はキャンプ場としてにぎわう。また、国土地理院の油壺験潮場があり、油壺湾内は首都圏内の大規模ヨットハーバーの一つ。
[浅香幸雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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油壺
あぶらつぼ
神奈川県県南東部,三浦半島の南西部に相模湾から入り込む油壺湾と付近一帯の地区。三浦市に属する。湾口が狭いわりに奥行があり,海面が油を流したように静かなことから地名が生じた。小さな岬を隔てて北にある小網代湾,南にある諸磯湾とともに沈水海岸の好例で,三浦半島観光の一中心となっている。東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所,国土地理院の験潮場,京急油壷マリンパークなどがある。湾奥は首都圏有数のヨットハーバー。諸磯の海食崖は数次の土地隆起を示し,国の天然記念物に指定されている。城ヶ島との間に定期遊覧船が就航している。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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