幹竹(読み)カラタケ

精選版 日本国語大辞典 「幹竹」の意味・読み・例文・類語

から‐たけ【幹竹・唐竹・漢竹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「からだけ」とも )
  2. ( 唐竹・漢竹 ) 昔、中国から渡来した竹。笛などを作る材料とし、また、庭園に植え、生垣などにもした。寒竹(かんちく)のこととされる。
    1. [初出の実例]「からたけのこちくの声も聞かせなんあなうれしとも思ひしるべく」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)五)
    2. 「から竹は漢竹(かんちく)也。一説にからは簳にて矢からにせし竹を筈になす故から竹と云、されど此説悪し。唐竹と記せし書もあれど唐の字は仮字也」(出典随筆・貞丈雑記(1784頃)一〇)
  3. 植物まだけ(真竹)」の異名。また、「はちく(淡竹)」の異名。
    1. [初出の実例]「又、宝治の比より唐竹枯始て、建長年中諸国竹皆枯失畢。適相残分九牛一毛云々」(出典:類聚大補任‐建長四年(1252))
  4. 植物「ほていちく(布袋竹)」の異名。
    1. [初出の実例]「唐(カラ)竹の烟管筒(きせるづつ) 日野絹の頭巾此二色は薬師(くすし)の中林道伯老へ形見なり」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)五)
  5. からたけわり(幹竹割)」の略。
    1. [初出の実例]「群りかかるを立割・梨割・唐竹の、はすに殺(そ)がれて逃ぐるもあり」(出典:浄瑠璃釜淵双級巴(1737)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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