広尾(町)(読み)ひろお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「広尾(町)」の意味・わかりやすい解説

広尾(町)
ひろお

北海道中南部、十勝(とかち)総合振興局管内の町。太平洋に面する。町名はアイヌ語の「ヒルイ」(転がる小石の意)など諸説がある。1946年(昭和21)町制施行。国道236号、336号が通じる。国鉄広尾線が通ったが1987年廃止、バスに転換した。寛文(かんぶん)年間(1661~1673)には「場所」が設けられた開発の早い地。乳牛飼育などの酪農を中心にジャガイモ、サトウダイコン、豆類、麦類などの畑作との複合経営を行う農業と漁業が基幹産業である。主要漁獲物はイカ、サケ、マス、ホッケコンブケガニシシャモタラと種類は多いが、年間漁獲高は1980年代の70億円台から1990年代の30億円台に減少した。中心市街地の広尾は十勝総合振興局管内唯一の港湾、十勝港を有し、港湾は最大4~8万トン級の大型船舶の接岸が可能で、貨物の積出し・積降し港、十勝の流通拠点として利用されている。1999年関税法に基づく開港指定を受け、内外からの出入港船も多い。南西町境は日高山脈の尾根で日高山脈襟裳(えりも)国定公園に含まれる。面積596.54平方キロメートル、人口6387(2020)。

[進藤賢一]

『『新広尾町史』全3巻(1978~1982・広尾町)』


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