十勝(支庁)(読み)とかち

日本大百科全書(ニッポニカ) 「十勝(支庁)」の意味・わかりやすい解説

十勝(支庁)
とかち

北海道南東部の十勝川流域一帯から太平洋岸に至る地域の町村を所管した北海道庁の出先機関。2010年(平成22)、支庁制度改革によって十勝総合振興局改称・改組された。旧十勝支庁の所管区域は音更(おとふけ)、士幌(しほろ)、上士幌鹿追(しかおい)、新得(しんとく)、清水、芽室(めむろ)、大樹(たいき)、広尾、幕別(まくべつ)、池田、豊頃(とよころ)、本別(ほんべつ)、足寄(あしょろ)、陸別浦幌(うらほろ)の16町と、中札内(なかさつない)、更別(さらべつ)の2村で、支庁所在地は帯広市。原則として市域は所管外であるが、帯広市を含む地域を意味する場合もあり、実務上も同市を含めて管内とされることが多かった。

 北部は石狩(いしかり)山地、西部は日高山脈、東部は白糠(しらぬか)丘陵と三方を山地で囲まれ、南方は太平洋に面する。大部分が十勝川水系の流域で、洪積台地と沖積地を中心に十勝平野が広がる。気候は内陸性で寒暖の差が著しい。1880年代から晩成社の開拓入植があり、1907年(明治40)の鉄道開通により開拓が進んだ。

 日本の代表的畑作地域で、農家の耕地面積は約21万ヘクタール、全道の約21%を占め、日本の重要な食糧基地の役割を担っている。十勝平野を中心に豆類、麦類、サトウダイコンテンサイ)、ジャガイモ、野菜が栽培される。日高山脈の山麓(さんろく)や白糠丘陵地区や洪積台地面は酪農が盛んで、乳牛19万頭余が飼養されているが、これは道内の約23%にあたる。また肉牛は約10万頭で道内の約40%を占めるなど畜産地帯を形成している。経営規模は1戸当り27ヘクタールと拡大し、機械化も進行しているが、畑作物の耕境にあって冷害にみまわれることが多い。

[進藤賢一]

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