広戸風(読み)ヒロトカゼ

デジタル大辞泉 「広戸風」の意味・読み・例文・類語

ひろと‐かぜ【広戸風】

岡山県北東部、那岐山南麓に吹く局地風。夏から秋にかけて発生することが多い北寄りの風で、西日本台風が通過する際に、風速50メートルに達する強風になることがある。那岐おろし。
[補説]やまじ風清川だしと合わせ、日本三大局地風に数えられる。

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精選版 日本国語大辞典 「広戸風」の意味・読み・例文・類語

ひろと‐かぜ【広戸風】

  1. 〘 名詞 〙 岡山県北東部、勝田郡那岐山の南麓に吹く北よりの局地的な強風。八~一〇月に多く、風速は毎秒二〇~三〇メートルに達する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「広戸風」の意味・わかりやすい解説

広戸風
ひろとかぜ

岡山県那岐山(なぎさん)南麓(なんろく)で吹く局地的な強風。典型的な広戸風は、台風が四国から大阪湾に向かう際、ときに瞬間風速が毎秒50メートルにも達する強風として吹く。8月から10月にかけて発生する数は年間の77%に達する。那岐おろし、横仙風(よこぜかぜ)、まつぼり風、ほところ風、北風山下風(やましたかぜ)ともよぶ。

根本順吉青木 孝]

『吉野正敏著『風の世界』(1989・東京大学出版会)』『佐橋謙著『岡山のお天気』(1991・山陽新聞社)』『島田守家著『やさしい気象教室』(1994・東海大学出版会)』『市川健夫著『風の文化誌』(1999・雄山閣出版)』『真木太一著『風と自然――気象学・農業気象・環境改善』(1999・開発社)』『荒川正一著『局地風のいろいろ』(2001・成山堂出版)』

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とっさの日本語便利帳 「広戸風」の解説

広戸風

岡山県勝田郡那岐(なぎ)山麓地方で主として秋、四国沖を台風や発達した低気圧が通る時に吹く北寄りの暴風農作物などに風害をもたらす広戸風、やまじ風、清川だしを日本の三大悪風と呼ぶ。

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世界大百科事典(旧版)内の広戸風の言及

【那岐山】より

…南東部山麓に法然の修行地として知られる菩提寺がある。なお,台風が四国沖を通過するとき,この山地を越えて瞬間風速60mもの北西風が吹きおろし,作物に大被害を与えることがあり,この局地風を広戸風と呼ぶ。【藤原 健蔵】。…

※「広戸風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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