府中市村(読み)ふちゆういちむら

日本歴史地名大系 「府中市村」の解説

府中市村
ふちゆういちむら

[現在地名]府中市府中町

まち村の西、芦田あしだ川が東北から東南へ流れを変える地点の北側に位置し、石州路・庄原路が通る。「備陽六郡志」「西備名区」などによると、御調みつぎ川を集めた芦田川はかつては東北に直流し、町村栄明えいみよう寺の南を流れていた。水野氏入封後芦田川の流れをほぼ現在のように変え、府中市村が成立したという(→府川村。急速に集落が形成され、交通の要衝として町場も生れたらしく、「備後郡村誌」によれば、宝永八年(一七一一)頃にはすでに「町並御座候諸商ひ仕、賑敷御座候」であり、文化年間(一八〇四―一八)成立の「福山志料」はその頃「上市下市横町・上辻町・下辻町・西町・新町・河原町・飛屋町」の九町があったことを記す。

芦田郡に属し、元和五年(一六一九)の備後国知行帳によれば高五九石余であったが、元禄一三年(一七〇〇)の府中市村御検地水帳(広島大学蔵)では反別三四町余・高五三九石余と大幅に増加。福山藩水野氏断絶後幕府領となり、元禄一三年以降福山藩領。前記水帳によると、屋敷数は計一五七(寺を含む)、うち字いちに一四五軒と大部分が居住していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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