庭番(読み)にわばん

精選版 日本国語大辞典 「庭番」の意味・読み・例文・類語

にわ‐ばん には‥【庭番】

〘名〙
① 庭の番人
下足番(1955)〈井伏鱒二〉「禿げ頭の方は随時に庭番に回ることが相手の話でわかった」

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デジタル大辞泉 「庭番」の意味・読み・例文・類語

にわ‐ばん〔には‐〕【庭番】

庭の番人。
御庭番おにわばん

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「庭番」の意味・わかりやすい解説

庭番
にわばん

江戸幕府の一職名。隠密常職徳川吉宗が将軍就任に際して紀州から風聞取調べを職とする村垣左太夫 (のち淡路守) を召連れてきたのが初め。若年寄支配で,これを使用できるのは,将軍,老中,若年寄,目付である。直接,御庭に入って将軍に謁見し,民間事情,諸大名政策動静などを上聞し,また将軍からの下命を受けて一般世情や,老中からの伺いの件などを探った。その仕事上危険が伴い,消息を絶ってしまう者もあったという。

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世界大百科事典(旧版)内の庭番の言及

【御庭番】より

…江戸幕府の職名。1716年(享保1)徳川吉宗の8代将軍襲職のとき,紀州家から薬込役16人と馬口之者1人を幕府にともない,彼らを〈御庭番家筋〉と定めて隠密御用に用いたのがはじまりである。のち分家が生じて26家となり,その後22家となって幕末にいたった。…

【庭者】より

…室町時代に活躍した河原者(かわらもの)の別称の一つ。また,江戸時代には徳川将軍家に仕え,白衣で江戸城の奥庭の清掃や将軍の身の警備に従事するとともに,秘密情報の収集・提供を行った〈御休息御庭之者(ごきゆうそくおにわのもの)〉(ふつうには庭番(にわばん),御庭番(おにわばん)といった)のことをさし,さらには〈猿楽師(能役者)〉に対する軽侮の念のこもった言葉として使われた語。別にまた,江戸時代に各地の農家に代々隷従奉仕した貧農をさす〈庭子(にわこ)〉の語とも同義に用いられた場合がある。…

※「庭番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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