引又町(読み)ひきまたまち

日本歴史地名大系 「引又町」の解説

引又町
ひきまたまち

[現在地名]志木市本町一―六丁目

たて村の組の一つで、同村東部新河岸川右岸を占める。郷帳類では館村に含まれ、田園簿の旗本新見領一〇〇石に相当する。明暦二年(一六五六)検地では田七町一反余・畑屋敷二六町六反余、ほかに三反余があった。天保一四年(一八四三)時には高二二五石余、田九町二反余・畑二八町七反余・屋敷一町四反余・野畑三町余(「町明細帳」井下田家文書)。明暦―寛文(一六五五―七三)頃から、多摩郡清戸きよと(現東京都清瀬市)から当地、与野宿を経て甲州街道日光道中をつなぐ道の宿駅としての役目を果すようになり、街道沿いに町並が形成された(風土記稿・志木市史)清戸村へは二里余で、賃銭は本馬八〇文・軽尻五二文・人足四〇文。与野町へは二里一〇町で本馬九〇文・軽尻六七文・人足四五文。また川越街道白子しらこ宿(現和光市)へは本馬八〇文・軽尻五二文・人足四〇文、同街道大和田おおわだ宿(現新座市)へは一里で、本馬三三文・軽尻二一文・人足一六文となっていた(前掲町明細帳)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の引又町の言及

【志木[市]】より

…武蔵野台地北東縁と荒川西岸の低地よりなる。江戸時代は奥州から相州,甲州へ通じる脇街道の宿場町で,引又(ひきまた)町と称し,周辺農村の物資の集散地として2・7の六斎市が立った。新河岸(しんがし)川につくられた引又河岸からはサツマイモ,麦,米などのほか,甲州のブドウや和紙なども荒川を通じて江戸へ積み出され,その商圏は所沢,青梅,甲府方面まで及んだ。…

※「引又町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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