弾劾主義(読み)ダンガイシュギ

デジタル大辞泉 「弾劾主義」の意味・読み・例文・類語

だんがい‐しゅぎ【弾劾主義】

犯罪がある場合、国家が進んで訴訟手続きをせず、原告の訴えをまって裁判所がこれを審判する方式。→糾問主義

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精選版 日本国語大辞典 「弾劾主義」の意味・読み・例文・類語

だんがい‐しゅぎ【弾劾主義】

  1. 〘 名詞 〙 刑事訴訟法上、検察官・被害者など、裁判所以外の第三者の訴えをまって訴訟を開始する主義。⇔糾問(きゅうもん)主義

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弾劾主義」の意味・わかりやすい解説

弾劾主義
だんがいしゅぎ

刑事訴訟について,訴追機関の訴追をまって訴訟手続が開始される制度。訴追主義とも呼ばれ,裁判機関がみずから手続を開始する糾問主義と対比される。両者の対比は,概念上は手続開始方法の差異を意味するにすぎないが,ヨーロッパ中世から近世初期にかけての拷問や秘密主義的な審判を特徴とした手続が,特に「糾問手続」と呼ばれ,近代的な刑事訴訟の観点から強い批判の対象とされてきたことから,両者はより実質的に刑事訴訟の基本理念の相違を示すものとして用いられることもある。弾劾主義は,訴追機関,被告人,裁判機関の三面的訴訟構造を予定し,裁判の公開と口頭主義の採用を要求するものとされる。

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世界大百科事典(旧版)内の弾劾主義の言及

【刑事訴訟】より

…日本も,19世紀後半にその列に加わったのである。
[基本原理]
 近代的な刑事訴訟の基本原理として,弾劾主義の確立(訴追者と審判者の分離),司法制度の整備(裁判機構の体系化および法曹の養成),被疑者・被告人の地位の改善(人権保障の強化)の三つを挙げることができる。 第1の弾劾主義とは,原告と被告とが対立し,裁判所が両者の主張・立証を聞いて公平な立場から判断を下すという訴訟構造を意味する。…

※「弾劾主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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