役不足（読み）ヤクブソク

デジタル大辞泉

やく‐ぶそく【役不足】

［名・形動］
１ 俳優などが割り当てられた役に不満を抱くこと。
２ 力量に比べて、役目が不相応に軽いこと。また、そのさま。「そのポストでは役不足な（の）感がある」
[補説]文化庁が発表した「国語に関する世論調査」で、「彼には役不足の仕事だ」を、「本人の力量に対して役目が軽すぎること」と「本人の力量に対して役目が重すぎること」の、どちらの意味だと思うかを尋ねたところ、次のような結果が出た。→力不足

	平成14年度調査	平成18年度調査	平成24年度調査
本人の力量に対して役目が軽すぎること （本来の意味とされる）	27.6パーセント	40.3パーセント	41.6パーセント
本人の力量に対して役目が重すぎること （本来の意味ではない）	62.8パーセント	50.3パーセント	51.0パーセント

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

やく‐ぶそく【役不足】

1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
2. ① 振り当てられた役に対して不満を抱くこと。与えられた役目に満足しないこと。
   1. [初出の実例]「くじ次第にして、役不足(ヤクブソク)をいひっこなしだよ」(出典：滑稽本・八笑人（1820‐49）四)
3. ② その人の力量に対して、役目が不相応に軽いこと。軽い役目のため実力を十分に発揮できないこと。
   1. [初出の実例]「人間の才能は役不足の時代に衰へてしまひ易いものなんだ」(出典：文科大学挿話（1926）〈川端康成〉一)
4. ③ ( 誤って、役に対して自分の能力が足りないの意と解したもの ) 役割を果たす力がないこと。荷が重いこと。
   1. [初出の実例]「続・三等重役」(出典：続一等サラリーマン（1952）〈源氏鶏太〉)

出典　精選版 日本国語大辞典