源氏鶏太(読み)げんじけいた

精選版 日本国語大辞典 「源氏鶏太」の意味・読み・例文・類語

げんじ‐けいた【源氏鶏太】

小説家富山県出身。本名田中富雄。サラリーマン生活のかたわら、昭和二二年(一九四七)「たばこ娘」でデビュー。同二六年「英語屋さん」で直木賞受賞。代表作三等重役」「定年退職」など。明治四五~昭和六〇年(一九一二‐八五

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デジタル大辞泉 「源氏鶏太」の意味・読み・例文・類語

げんじ‐けいた【源氏鶏太】

[1912~1985]小説家。富山の生まれ。本名、田中富雄。サラリーマン体験を生かしたユーモアにあふれる作品人気を集める。「英語屋さん」およびその他の作品で直木賞受賞。他に「三等重役」「定年退職」「口紅と鏡」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「源氏鶏太」の意味・わかりやすい解説

源氏鶏太
げんじけいた
(1912―1985)

小説家。富山市生まれ。本名田中富雄。17歳から詩作専念、『新日本詩人』同人となり、詩を発表。富山商業卒業後、大阪の住友合資会社に入社、サラリーマン生活を送るかたわら懸賞小説に応募する。1947年(昭和22)『たばこ娘』が『オール読物』に採用されてデビューし、51年『英語屋さん』(1951)、『颱風(たいふう)さん』(1951)ほかで直木賞を受賞。『三等重役』(1951~52)、『停年退職』(1962)など作者の26年間にわたるサラリーマン体験を基底としたユーモアとペーソスに富む作品に特色が出ている。その後、サラリーマンの怨念(おんねん)や復讐(ふくしゅう)を描いて新境地を開き、『幽霊になった男』『口紅と鏡』(ともに1970)により吉川英治文学賞を受賞した。

磯貝勝太郎

『『源氏鶏太全集』全43巻(1965~67・講談社)』『『源氏鶏太自選作品集』全20巻(1973~74・講談社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「源氏鶏太」の解説

源氏鶏太 げんじ-けいた

1912-1985 昭和時代後期の小説家。
明治45年4月19日生まれ。昭和5年住友合資に入社,勤めのかたわら小説をかき,26年「英語屋さん」などで直木賞。サラリーマンの哀歓をえがいた「三等重役」で流行作家となった。46年「口紅と鏡」「幽霊になった男」で吉川英治文学賞。昭和60年9月12日死去。73歳。富山県出身。富山商業卒。本名は田中富雄。
【格言など】人間は勇気を失ってはおしまいなのである。甘ったれてはならぬのである(「サラリーマンのための十二章」)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「源氏鶏太」の意味・わかりやすい解説

源氏鶏太
げんじけいた

[生]1912.4.19. 富山
[没]1985.9.12. 東京
小説家。本名,田中富雄。富山商業を卒業,大阪の住友合資会社に入社。勤続 25年余のサラリーマン体験を生かし,ユーモアとペーソスに富むサラリーマン小説を書き,『英語屋さん』 (1951) などで直木賞を受けた。代表作『三等重役』 (51~52) ,『停年退職』 (62) ,『永遠の眠りに眠らしめよ』 (77) など。

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世界大百科事典(旧版)内の源氏鶏太の言及

【三等重役】より

…源氏鶏太(1912‐85)の現代小説。1951年から52年にかけて《サンデー毎日》に連載。…

※「源氏鶏太」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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