忍町(読み)しのびまち

日本歴史地名大系 「忍町」の解説

忍町
しのびまち

[現在地名]姫路市忍町しのぶまち

飾東しきとう郡に所属。姫路城南西の外堀のすぐ南、飾磨門(飾磨口)の西に位置する東西の町筋。飾万津しかまつ町二〇町の一つで、飾万津の町奉行の管轄下にあった。町名は忍の者を置いたことによるという(姫路市町名字考)中世南畝のうねん村のうちで、近世初頭に飾磨門から飾万津へ通じる街道沿いが町場化する過程で当町が形成されたと考えられる。延宝五年(一六七七)新たに当町を侍屋敷とし、この地にあった薬師寺飾西しきさい栗山くりやま村に移したという(姫路城史)。元禄八年(一六九五)写の姫路城図では「しのび丁」は町屋となっており、西端に欽城きんじよう院と北村与兵衛組屋敷がみえる。


忍町
しのびちよう

[現在地名]上野市忍町

三之町さんのまち筋の南一帯の武家屋敷町。「宗国史」伊賀志の上野府に「仕家第宅」として城外に記され「雑色廠 在忍町」とある。伊賀者の屋敷のあったところで、伊賀者は正保四年(一六四七)六月以前は「忍びの衆」とよばれていたから(宗国史)、忍町の名称も藩政初期からあったと考えられる。寛永絵図(岡森明彦氏蔵)寛文(一六六一―七三)頃の絵図(上野市立図書館蔵)によれば、三之町筋の南の道が外馬場道もしくは御馬場道と記され、その中央部南側の重臣の下屋敷一軒分たらずの地域に、伊賀者一〇人ほどの名が記され、この一部のみが伊賀者屋敷、すなわち雑色廠で、そのほかは重臣の下屋敷や中級武士の屋敷が多かった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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