四字熟語を知る辞典 「志操堅固」の解説
志操堅固
[活用] ―な・―だ。
[使用例] タカラジェンヌとは言葉の厳密な意味における脚光を浴びた美貌の処女の集団である。奮励努力ノ精神、志操堅固の集団である[山口瞳*江分利満氏の華麗な生活|1963]
[使用例] よほど志操堅固な藩を置かないかぎり、京都的思想に魅せられて三藩とおなじ穴のむじなになってしまうおそれもある[司馬遼太郎*王城の護衛者|1965]
[使用例] 婚姻というものは本人が望んでいようがいまいが、父母親戚の者が無理にも組み上げてやるべきもの。ことに志操堅固の者や、学業に熱中しておる者、それに変わり種は、世話してやらぬばあっという間に不惑を過ぎるぞ[酒見賢一*泣き虫弱虫諸葛孔明|2004]
[解説] 一九四五年八月の終戦の日、ラジオで放送された天皇の詔勅には、次の一節がありました。
「……総力を将来の建設に傾け、道義を
敗戦で人々の心が荒廃することを
「志操」とは、文字通りの意味を言えば、かたく持っている主義や志のことです。実際の用例を見ると、特に、遊びなどの誘惑に負けない志を言います。盛り場から距離を置き、真面目にやるべきことをやる人は「志操堅固」と言えます。
「志操堅固」は、誤って「思想堅固」とも書かれます。これでは欲望に負けない禁欲的な感じはなくなります。ただ、思想統一が徹底した全体主義国家の軍人を「思想堅固」と表現した例もあり、これはこれで意味が通っています。
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