六訂版 家庭医学大全科 「急性細菌性前立腺炎」の解説
急性細菌性前立腺炎
きゅうせいさいきんせいぜんりつせんえん
Acute bacterial prostatitis
(男性生殖器の病気)
どんな病気か
前立腺に細菌の感染を生じ、発熱とともに前立腺が大きく
原因は何か
主に大腸菌などのグラム
また、尿道膀胱鏡検査(膀胱がんの診断に必要な検査)、カテーテル操作(尿量を調べたり造影剤を注入して前立腺の大きさを調べるのに必要な処置)、前立腺生検(前立腺がんの診断に重要な検査)などの病院での検査や処置が誘因になることもあります。
検査と診断
細菌感染による前立腺の炎症が強く、自然排尿した尿のなかに原因になる細菌と炎症性細胞である白血球が認められます。この尿所見によって診断します。肛門から指を入れて前立腺を触診すると患者さんが圧迫痛を訴えます。この時、前立腺をマッサージすることは細菌を血液中に散布するおそれがあり、
治療の方法
原因になっている尿中の細菌の種類を調べて、この細菌に対して有効な抗生剤の投与を行います。尿閉に対しては
水分の補給を十分に行い、高熱のある症例では安静の確保と点滴注射のため入院治療をすすめます。重症例では
病気に気づいたらどうする
高熱に伴い排尿痛や排尿困難、残尿感などの症状がある場合には、ただちに泌尿器科の専門医の診察を受けるべきです。少なくとも熱のある間は静養が必要です。また急性細菌性前立腺炎では、前立腺がんの腫瘍マーカー(PSA)が異常な高値を示します。治ったあとで再検査が必要です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報