恒星の天球上での分布,距離,運動,物理的・化学的諸特性の間の相関関係を統計的手法で解析し,サンプル星の諸特性を統計的に推測する天文学の一分野。恒星統計学ともいう。恒星のヘルツシュプルング=ラッセル図,恒星の質量・光度関係,恒星までの距離を推定するための永年視差および分光視差,ケフェイド変光星の変光周期・絶対光度関係,恒星のスペクトル型・速度分散関係,太陽運動,銀河回転などはすべて恒星に統計学を適用して見いだされたものである。これらの関係や法則は,恒星進化論の確立や銀河系の構造の解明に当たって重要な役割を果たしてきた。同様な手法は,球状星団系の統計や銀河の統計に活用されている。
執筆者:宮本 昌典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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