六訂版 家庭医学大全科 「悪性外耳道炎」の解説
悪性外耳道炎
あくせいがいじどうえん
Malignant external otitis
(耳の病気)
どんな病気か
糖尿病の患者さんや、細菌感染に対する抵抗力の低下した高齢者に起こる、
原因は何か
通常では限局した病変にとどまる外耳炎が、周囲組織に壊死性変化(悪性化)を来す原因としては、糖尿病によって感染に
症状の現れ方
特有の症状は、進行性の激しい
検査と診断
高齢者で通常の治療では改善しないがんこな激しい耳痛、膿性耳漏および外耳道の再発性
治療の方法
入院治療が原則です。基礎疾患である糖尿病の評価や全身状態を把握し、血糖のコントロールに努めます。病変に対しては、緑膿菌に有効なペニシリン系もしくはセフェム系抗生剤の点滴による全身投与と、外耳道の壊死組織の除去を中心とした局所の処置を行います。それでも症状が悪化する場合には、壊死組織を徹底清掃する手術的療法が必要になります。
本疾患の死亡率は高く、脳神経麻痺を合併する場合はさらに予後が不良となるため、全身状態の改善を含む早期の治療開始が重要です。
病気に気づいたらどうする
耳漏に、がんこな耳痛を伴えば要注意です。まずは耳鼻咽喉科専門医を受診してください。
立本 圭吾
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報