惘然(読み)ぼうぜん

精選版 日本国語大辞典 「惘然」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐ぜん バウ‥【惘然】

〘形動タリ〙 =ぼうぜん(呆然)
性霊集‐四(835頃)勅賜世説屏風書了献表「悚之慄之、心魂惘然」
太平記(14C後)五「相模入道驚覚て起たれ共惘然(ハウゼン)として更に知る所なし」 〔江淹‐無錫県歴山集詩〕

もう‐ぜん マウ‥【惘然】

〘形動タリ〙 (「もう」は「惘」の呉音) あっけにとられているさま。気が抜けてぼんやりしているさま。茫然。ぼうぜん。もうねん。
読本椿説弓張月(1807‐11)後「そも何とせん、と周章し、惘然(モウゼン)として立在(たたずみ)給へば」

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デジタル大辞泉 「惘然」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐ぜん〔バウ‐〕【×惘然】

[ト・タル][文][形動タリ]呆然ぼうぜん」に同じ。
「頓には其の―たるより覚むるを得ざるなりき」〈紅葉金色夜叉

もう‐ぜん〔マウ‐〕【×惘然】

[ト・タル][文][形動タリ]ぼうぜん(惘然)」に同じ。
貫一は―として佇めり」〈紅葉金色夜叉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「惘然」の読み・字形・画数・意味

【惘然】もう(まう)ぜん

おどろくさま。〔唐書、宦者下、李輔国伝〕代宗立ち、~輔國に大第を外に賜ふ。中外其の失勢を聞き、擧(み)な相ひ賀す。輔國始めて惘然として憂へ、出づるを知らず、表して官を解かれんことを乞ふ。~、優辭(ゆけん)す。

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