愛敬守(読み)あいきょうのまもり

精選版 日本国語大辞典 「愛敬守」の意味・読み・例文・類語

あいきょう‐の‐まもり アイキャウ‥【愛敬守】

〘名〙 近世小笠原流による貴人婚礼の時、新婦が襟(えり)にかけて夫婦和合の印としたお守り愛染明王の守護札を雌雄二つに作ったもの。幸いの守り。掛け守り。あいきょうまもり。
浮世草子好色二代男(1684)四「いづれ娌(よめ)取て人の懐子(ふところご)乗物すぐに奥座敷にかき入て、愛興(アヒキャウ)の守取かはすなど」

あいきょう‐まもり アイキャウ‥【愛敬守】

〘名〙
出世開運を招くお守り。福助人形など。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)三立「アイ、いま流行する深草焼の人形、この福助は身の出世と、愛敬守りのもてあそび」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の愛敬守の言及

【懸守】より

…江戸時代にはいって女性の服装が簡単になってくると,首から下げるというおおぎょうな形式はしだいにすたれて,護符は通常腰さげや腕守,あるいは紙入れや筥迫(はこせこ)の中などに納めて,身につけるようになった。なお婚礼のとき嫁の襟に守をかける習俗があり,これを愛敬守(あいきようまもり)といっている。古くはつねにこれを護符として胸にかけ,夫婦愛敬の守とした。…

※「愛敬守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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