愛敬(読み)アイギョウ

デジタル大辞泉の解説

あい‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【愛敬】

《仏語の「愛敬相」から。室町以降「あいきょう」とも》
親愛と尊敬の念をもつこと。人から愛され敬われること。あいけい。
「この女子(にょし)に、―、富を得しめ給へ」〈今昔・一六・八〉
顔つき・振る舞い・性格などが、優しく愛らしいこと。あいきょう。
「かたち、すがた、をかしげなり。―めでたし」〈宇治拾遺・一〇〉

あい‐けい【愛敬】

[名](スル)親しみ敬うこと。敬愛。「愛敬の念」
「秋田豊は大いに彼の久松菊雄を―して」〈菊亭香水・世路日記〉

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百科事典マイペディアの解説

愛敬【あいぎょう】

江戸時代の儒学者中江藤樹(なかえとうじゅ)が人倫の根本原理とした〈孝〉の本質は愛であるとした。すなわち愛敬とは,すべての人に真心を持って親しみ,上を敬い下を侮らない心を持つことで,単に自分の親への孝養にとどまらない〈孝〉の本質だと説いた。

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大辞林 第三版の解説

あいぎょう【愛敬】

〔中世後期以降「あいきょう」とも〕
愛し敬うこと。敬愛。あいけい。 「衆人-浅からずして万事心に叶ふべし/万民徳用」
容姿や物言いなどがかわいらしく魅力的なこと。 「わが顔にもうつりくるやうに-は匂ひちりて/源氏 野分
相手への優しい思いやりがあること。 「聞きにくからず、-ありて/徒然 1
夫婦の結びつき。夫妻の和合。 「げに、-のはじめは日えりして聞し召すべき事にこそ/源氏
なまめかしさ。媚こび。媚態びたい。 「その縄手には-こぼすな/田植草紙」

あいけい【愛敬】

( 名 ) スル
心から敬うこと。敬愛。 「余は其の詩人を-するなり/欺かざるの記 独歩」 → あいぎょう(愛敬)

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