慌てる(読み)アワテル

デジタル大辞泉 「慌てる」の意味・読み・例文・類語

あわ・てる【慌てる/周章てる】

[動タ下一][文]あわ・つ[タ下二]
思いがけない物事に出会って、ふだんの落ち着きを失う。うろたえる。狼狽ろうばいする。「突然の知らせにすっかり―・てた」
(「あわてて…する」の形で)急いで…する。「―・てて駆けつける」
[類語]うろたえるまごつく面食らう狼狽周章周章狼狽騒ぐ慌てふためく右往左往取り乱す度を失う泡を食う一泡吹かせるじたばたあたふた

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「慌てる」の意味・読み・例文・類語

あわ・てる【慌・周章】

  1. 〘 自動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]あわ・つ 〘 自動詞 タ行下二段活用 〙 不意をつかれて落ち着きを失う。びっくりしてまごつく。うろたえる。狼狽(ろうばい)する。現代では「あわてて…する」の形で、非常に急ぐ意に用いる場合も多い。
    1. [初出の実例]「是の時に押坂(おしさか)部史毛屎(けくそ)(アワテ)来て」(出典:日本書紀(720)用明二年四月(図書寮本訓))
    2. 「文策即ち甚だ忙(アワテ)(おび)え、乃ち使者を逐ひて去る」(出典:石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
    3. 「かくや姫〈略〉いみじくしづかにおほやけに御文奉り給ふ。あはてぬさま也」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
    4. 「なんだか今日は日がみぢかい、ト急ぎあわてて帰りゆく」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)四)

慌てるの補助注記

「泡」を活用させた語と考えられるが、成立過程は不明。

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