六訂版 家庭医学大全科 の解説
慢性腎不全のいろいろな症状
(腎臓と尿路の病気)
慢性腎不全では、腎機能の低下はゆるやかであり、腎機能の指標である
慢性腎臓病(CKD)でのステージ(病期)分類で説明すると、ステージが進むにしたがい、多彩な症状が出現してきます。
ステージ1・2
GFRが60ml~/分くらいまで低下していますが、代償(補う)機能がはたらいているため、ほとんど無症状です。
ステージ3
GFRが30~60ml/分であり、軽度の高
ステージ4
GFRが15~30ml/分となり、高窒素血症や貧血は高度となり、代謝性アシドーシスや電解質異常(高カリウム、高リン血症、低カルシウム血症など)が認められます。
自覚的には倦怠感や脱力感などが強くなり、高血圧や浮腫(むくみ)などが現れます。
ステージ5
GFRは15ml/分以下となり、著しい高血圧、浮腫、貧血、消化器症状(吐き気・嘔吐、食欲不振、アンモニア臭など)、循環器症状(動悸・胸痛・呼吸困難などの心不全、不整脈など)、神経・精神症状(眠気、集中力低下、けいれん、意識障害、運動・知覚障害)などの
患者さんはご自身のステージをよく把握し、症状の出現に気をつけましょう。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報