慢性膀胱炎(読み)まんせいぼうこうえん

家庭医学館 「慢性膀胱炎」の解説

まんせいぼうこうえん【慢性膀胱炎】

[どんな病気か]
 尿路になんらかの別の病気があって膀胱炎が続く状態で、あまり症状がありません。尿路の病気すべてが原因となります。
[症状]
 慢性膀胱炎の症状は、ふだんは下腹部の不快感くらいですが、急に炎症が強くなると、急性膀胱炎と同じような症状が出ることもあります。膀胱炎がひどいと尿が濁ります。また、膀胱炎をおこしている病気の症状だけが現われることもあります。
[検査と診断]
 検査で持続的に細菌尿(さいきんにょう)と膿尿(のうにょう)がみられたら、慢性膀胱炎と診断されます。しかし、膀胱炎の原因になっている病気の診断がたいせつです。
 問診・診察、排泄性腎盂造影(はいせつせいじんうぞうえい)・膀胱造影・尿道造影などのX線検査、あるいは膀胱鏡検査などによって、原因となっている病気をさがします。
 膀胱炎をおこしている細菌も多様なので、尿中の細菌を培養して原因菌を決定することも重要です。
[治療]
 尿中の細菌の培養で原因菌がわかったら、その細菌に対して効果の強い抗菌薬を服用します。原因となっている病気を治療しないと再発するので、その病気の治療がたいせつです。
■結核性膀胱炎(けっかくせいぼうこうえん)
 通常は、肺結核病巣から結核菌血管を通じて腎臓に感染し、尿の流れに沿って、尿管、膀胱へと感染してくる病気です。
 慢性膀胱炎の症状がみられますが、尿中の菌を培養すると、ふつう膀胱炎をおこす細菌ではなく、結核菌があることから診断がつきます。現在でも、ときどきみられる病気です。
放射線膀胱炎(ほうしゃせんぼうこうえん)
 下腹部に放射線治療を受けた場合におこることがある膀胱炎で、放射線を受けてから10年以上過ぎて発症することもあります。
間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)
 原因がはっきりしない膀胱炎で、アレルギーがかかわっていると考えられていますが、治りにくい病気です。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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