尿管(読み)ニョウカン(その他表記)ureter

翻訳|ureter

デジタル大辞泉 「尿管」の意味・読み・例文・類語

にょう‐かん〔ネウクワン〕【尿管】

尿を腎臓から膀胱ぼうこうに送る管。輸尿管

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精選版 日本国語大辞典 「尿管」の意味・読み・例文・類語

にょう‐かんネウクヮン【尿管】

  1. 〘 名詞 〙 腎臓から膀胱(ぼうこう)へ尿を輸送する管。長さ三〇センチメートル前後で、左右二本ある。輸尿管。〔解剖辞書(1875)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「尿管」の意味・わかりやすい解説

尿管 (にょうかん)
ureter

腎臓と膀胱を結び尿を運ぶ管。腎盂(じんう)の続きである腎門を出るところから始まり,後腹壁の腹膜の前を下り総腸骨動静脈の前をこれらと交差して骨盤に入り膀胱底に左右別々に開口する。口径4~7mm,長さ25~30cm。粘膜ひだに富み,上皮移行上皮で,尿が運ばれるときは伸展されて3層ぐらいになり,尿が空のときは10層にもなる。最表層の細胞は被蓋細胞と呼ばれ,とくに大きく,細胞質はエオジンによく染まる。移行上皮の上皮細胞の基底部は,すべて上皮の下端まで達しているので,一種の多列上皮とする見方が強い。上皮下に膠原(こうげん)繊維や弾性繊維のほか結合組織細胞成分に富む粘膜固有層が存在し,その外に固有層よりもまばらな結合組織からなる粘膜下層があり,さらに外側に平滑筋からなる筋層がある。尿管のうち上2/3では内縦,外輪の2層,下1/3では内縦,中輪,外縦の3層からなる。これら筋層の収縮弛緩によって蠕動(ぜんどう)運動が起こり,腎盂から膀胱へ尿が送られる。筋層の外側には,疎性結合組織からなる外膜があり,脈管や神経が通っている。
執筆者: 尿管の病気には,奇形外傷腫瘍(尿管癌),炎症(尿管炎,尿管結核),尿管結石などがある。診断は腎盂尿管造影を主体に行う。尿管の病気の中で最も頻度の高いものは尿管結石で,腎臓でできたものが尿管に落ちてできる。0.8cm以下の尿管結石は自然に排泄されるが,それ以上の大きさのものは手術が必要である。
尿路結石
執筆者:

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百科事典マイペディア 「尿管」の意味・わかりやすい解説

尿管【にょうかん】

輸尿管とも。腎臓から尿を運び出す管。左右1対。ヒトでは口径4〜7mm,長さ約27cm。粘膜はひだに富み,空のときは10層になっているが,排尿の際には伸展して3層ほどになる。腎門で腎盂(じんう)に続いて始まり,腹腔後壁に近く脊柱の両側を下り,膀胱(ぼうこう)に開く。
→関連項目腎臓泌尿器膀胱

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「尿管」の意味・わかりやすい解説

尿管
にょうかん
ureter

輸尿管ともいう。尿を腎臓から膀胱に導く,長さ約 25cm,外径5~10mmの1対の長い管。尿を膀胱に向って送るとき,尿管のある区間の内腔が,上流から流れ込む尿で受動的に拡張し,ある程度拡張すると,管壁の筋肉が収縮して尿を下流に送り出す。したがって,尿は絶えずだらだら流れるのではなく,尿量の多寡によって数秒ないし数十秒間に少量ずつ分けて送られる。

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栄養・生化学辞典 「尿管」の解説

尿管

 腎盂から膀胱へ尿を運ぶ管.

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