精選版 日本国語大辞典「懲」の解説
ころ・す【懲】
〘他サ四〙
※宇治拾遺(1221頃)一五「今よりのち、かくのごとくあやしきこといはむ者をば、ころさしむべきものなり」
② =こらす(懲)②
※土井本周易抄(1477)三「足懲 足がこるるのみぞ。江家にはこらす、菅家にはころすと云点ぞ」
こ・りる【懲】
〘自ラ上一〙 こ・る 〘自ラ上二〙 失敗や過失による痛手、衝撃で、二度とやるまいと思う。苦い経験から、もうやるまいと思う。
※万葉(8C後)三・三八四「吾がやどにからあゐ蒔(ま)きおほし干れぬれど懲(こり)ずてまたも蒔かむとそ思ふ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「ひょっと余所(よそ)のお子さまが云告(いっつけ)にお出なすったら、我子をこりるほど折檻する事さ」
こら・す【懲】
〘他サ五(四)〙
① 懲りて二度としないようにさせる。過ちを責めて戒める。懲りさせる。ころす。
② 苦しめる。
※浮世草子・好色一代女(1686)五「是程まで身をこらし浅ましき勤め」
こらし・める【懲】
〘他マ下一〙 こらし・む 〘他マ下二〙
① 懲りさせる。懲りて二度としないようにさせる。
※御伽草子・るし長者(室町時代物語大成所収)(室町末)「まつだいの人をこらしめんためにもとて、しかのみるまへにて、かのおとこをころされけり」
② 鍛える。鍛練する。〔和英語林集成(再版)(1872)〕
こらしめ【懲】
※御伽草子・朝顔の露(室町時代物語集所収)(室町末)「御いたはしくは候へ共、しばし御こらしめのためなれば」
こり【懲】
〘名〙 懲りること。こりごりすること。
※玉塵抄(1563)二八「次の王に前のこそ玉を知しむことなけれ、今の王は知れうと思てこりもなう又ささげたぞ」
こらし・む【懲】
〘他マ下二〙 ⇒こらしめる(懲)
こ・る【懲】
〘自ラ上二〙 ⇒こりる(懲)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報