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懸帯 かけおび

世界大百科事典 第2版の解説

かけおび【懸帯】

江戸時代の(も)についていると,平安時代の社寺参拝などのとき女子が胸から背にかけて垂れ結んだ帯をいう。(1)は平安時代になって形式的に衣の後ろにつけるようになり,そのひもも装飾化して引腰(ひきごし)などというものもできたが,鎌倉時代以後,裳は平時には用いられなくなり,その着装法にも変化が起こった。江戸時代に至って,この裳をつけるのに,唐衣(からぎぬ)と同じきれでこれにししゅうをしたり,あるいは糸の飾りをおいた帯を裳の後ろの腰につけて,これを肩越しに胸にかけてつるようになり,これを裳の懸帯といった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

懸帯
かけおび

公家(くげ)女性の衣服の付属物。
(1)中世公家女性が社寺に詣(もう)でるとき、袿(うちき)や被衣(かずき)の上に、胸から背に懸けた絎紐(くけひも)状の赤い帯。古代の襷(たすき)の名残(なごり)といわれる。
(2)中世末、近世の女房装束(十二単(じゅうにひとえ))の裳(も)につけられた帯。元来裳は、腰で締めて着装するものであって、平安時代中期以降の裳が、単に威儀を正し、装飾的なものとなって後方に引くだけのものとなってからも、腰の位置で締めることに変わりはなかった。しかし、服装の簡略化によって、室町時代末ごろから、裳に懸帯とよぶ紐を左右に結び付けて肩から背面、裾(すそ)にかけて垂らすようになった。江戸時代になると、懸帯は唐衣(からぎぬ)の地質と同じものを用い、刺しゅうを施したものとなった。[高田倭男]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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